そのコマは回り続けるか、それとも倒れるか

ビジネスモデルとプロダクトの関係は、ソフトウェア開発でのモデルとソフトウェアの関係と同じだ。

ビジネスモデルをいくら考え込んだところで「モデル」でしかないため、実体化して動かしてみないともたらす価値がつかめない。ということに気づいたとき、そうか、あの世のものでしかない(実体のない)「モデル」をこの世(現実世界)で形付ける手段が「プロダクト」なのだ。その最小限の範囲を「MVP」と呼ぶのだ。あまりに多く一度に形付けようとすると、モデルが誤っていた場合に取り返しが大きくなる。

だから、この世で受けた「ビジネス」へのフィードバックはモデルまで立ち返らせ、次のプロダクトのことを考えなければならない。目の前の「ビジネス」の結果を「プロダクト」に直接反映し始めると、スピードが出ているため一見事業として前に進んでいる気がするが、実は方向を誤っている可能性がある。問題なのは、「方向を誤っているかもしれない」ということに気づき難いことだ。

仮説検証の経験がない方はほぼ確実にモデルには戻らない。動き出したモノに目が釘付けになる。やがてモデルの検証ではなく、実証のためのリソース投入が始まる。

今、モデルの検証をしているのか、ビジネスの遂行をしているのか、自分を含めた関係者がどちらにいるかについて共通認識ができていると、本当に言えるだろうか。

コマを回してみる。そのコマは、回り続けるのか、倒れてしまうのか。見つめたい。


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